2021/12/24
HACCPはアメリカで宇宙食の安全性を確保することを目的に開発された衛生管理手法ですが、世界中の多くの食品関連企業でも採用されています。この衛生管理手法は危害要因分析と重要管理点で構成されており、全ての工程を細分化してリスク管理を行うのが特徴です。重要管理点とは加熱や冷却など特に重要な工程のことで、連続的かつ継続的な監視と記録が行われます。危害要因とは食品に混入して健康被害をもたらす可能性がある微生物や化学物質、金属などの異物のことです。
この衛生管理手法では危害要因を分析して起こりうる健康被害を予測した上で、明確な管理方法とルールを定めます。HACCPで衛生管理を行うには、まず事業所全体でチームを編成し製品の説明書を作成します。さらに意図する用途や対象となる消費者を確かめて製造工程一覧図を作成し、現場の確認を行います。危害要因を分析したら重要管理点を決定し管理基準やモニタリング方法の他に改善措置や検証方法、記録・保存方法を設定します。
HACCPは原材料の仕入れから出荷までの全ての段階が対象となるため、不良品の発生と出荷を効果的に防ぐことができます。事業所全体でチームを編成するのでスタッフの衛生管理に対する意識が向上し、製品の品質と生産性も高まります。何らかのトラブルが起きたとしても問題のある工程を発見して素早く対処でき、消費者や取引先の信頼を損なうのを防げます。HACCPは食品の品質と生産性を向上させる一方で、トラブルやクレームの発生件数を減らし円滑な営業活動を可能にします。